他人と友情を築き上げていくのはなかなか難しい事の一つが意識の違いだと思います。意識の違いを埋めていくにはよく話し合ってお互いの意見を聞き合えれば良い関係なっていくと思います。
そんな意識の違いがあるが、次第に良い友情関係が築かれていく作品『グリーンブック』という映画を紹介します。
1962年のアメリカ南部では黒人への差別意思が高まっていた。ニューヨーク州のナイトクラブで勤めていたトニー・リップはある日、黒人ピアニストのドクター・ドナルド・シャーリー共に南部を回るツアーに参加することになった。黒人を軽視していたトニーだったが、ドクターとともに南部を回るにつれ、黒人への意識が変化していく。2人はツアーを終え、どのように変わっていくのか。
劇場公開:2018年
上映時間:130分
アメリカの歴史
『グリーンブック』は1962年のアメリカを舞台にアメリカ南部でコンサートを行う物語です。
しかし、当時のアメリカでは黒人ピアニストが南部を回るのは無謀な事でした。
それは作品を見るだけでもよくわかると思いますが、作品より深く知ってもらう為に少しだけ歴史を振り返りたいと思います
南北戦争
アメリカ合衆国は建国当時から北部と南部では度々、対立関係にありました。
アメリカの主要産業は北部と南部では異なっていました。北部は工業、金融産業が主要で、南部は農業が主要産業でした。
農業を主要産業としていた南部では労働力を黒人奴隷に頼っていました。
しかし、1860年に第16代アメリカ大統領に就任した「エイブラハム・リンカーン」により1861年に奴隷制度を廃止と宣言しました。
その宣言により、南部の州が反発し、南部の州がアメリカ合衆国から独立を宣言し、連合国となり北部の州(合衆国)と戦争状態になりました。これが南北戦争と言われます。
1865年に終戦を迎え、この戦争で北部(合衆国)が勝利を収め、奴隷制度は廃止されました。
グリーンブックとは
南北戦争後、南部でも黒人奴隷は無くなりましたが、南部では黒人を軽視することはなくならず、それが次第に人種差別に変化していくことになりました。
その後、1930年代に学校や公共機関の利用を制限する法律が南部の州法で公布され、黒人の行動を制限されるようになっていきました。
ここで、本作のタイトルになっている「グリーンブック」は黒人ドライバーが南部を安全に行動できるように宿泊地や飲食店などを記載されたガイドブックが出版されました。
作品内でもドクターが南部を回るコンサートに出発する前にトニーがドクターのバンドメンバーから渡された冊子がこのグリーンブックになります。
作品後の歴史
ドクターが南部を回ってコンサートを行った、その翌年の1963年にキング牧師がリンカーン記念堂の前で「I Have a Dream(私には夢がある)」の一節で有名な人種差別を訴えた演説が行われました。
演説の翌年、1964年に公布した法律で法律での人種差別が終焉を迎えました。
しかし、法律での差別が無くなりましたが、人々の人種差別の意識は終わってはいないのが現状です。
作品概要
引用先:【映画.com】グリーンブック
キャスト
ヴィゴ・モーテンセン / トニー・リップ(ヴァレロンガ)
出演作
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ
『約束の地』(2014年)
マハーシャラ・アリ / ドクター・ドナルド・シャーリー
出演作
『ハンガー・ゲーム』シリーズ
『ムーンライト』(2016年)
リンダ・カーデリー二 / ドロレス・ヴァレロンガ
出演作
『アベンジャーズ/エンドゲーム』シリーズ
アカデミー賞(2019年)
- 作品賞
- 助演男優賞(マハーシャラ・アリ)
- 脚本賞
あらすじ
1962年、アメリカ合衆国南部は人種差別が促す州法が施行されていました。
ニューヨーク州のナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒のようなことをしていたトニー・リップは、ある日勤めていたナイトクラブが改装工事の為、閉鎖されてしまい新しい仕事を探すことになった。
ある日、トニーはアフリカ系アメリカ人ピアニストのドクター・ドナルド・シャーリーのアメリカ南部を回るコンサートの運転手の面接を受けることになった。トニーは面接でドクターの運転手ではなく召使いのようなことだと知り、一度は断ったがドクターがその度胸に免じトニーを運転手として雇うことにした。
南部を回るとあって、黒人のドクターには難しいことも多くある為、ドクターのバンドメンバーがトニーにグリーンブックを手渡した。
ツアーが始まり移動が長くなる中、車内は険悪な関係だった。しかし、ツアーでドクターの演奏を聞いたトニーはドクターのピアノの才能に惚れ込んでいく。
しかし、南部で行動していくドクターには差別や暴力を受けることが度々あった。その度にトニーはドクターを助けていた。
ドクターは無事南部でのコンサートを終えることができるのか。また、トニーとドクターは関係はどのように変化していくのでしょうか。
感想:ネタバレを含む
『グリーンブック』は人種問題を題材とした映画で、当時のアメリカでの黒人への扱いがわかり、とても考えさせられる映画でした。
その中でも、白人側のトニーが黒人への意識が変化していく様がわかるような作品でした。また、黒人でも孤独と戦っていたドクターの内に抱える寂しさも感じられる作品でもありました。
今回はそのような事に重点を置いた感想を書いてみました。
- きっかけはピアノ
- 孤独の黒人
- 最後のコンサートで
きっかけはピアノ
トニーはドクターと南部を回る前は黒人をよく思ってなく、自宅で黒人が作業している時もいい顔をしていませんでした。そのことが謙虚にでたのはトニーの奥さんのドロレスが家のコップで水を提供したましたが、それをみていたトニーがそのコップを捨てたところでよくわかりました。
しかし、そんなとにーがドクターの演奏をはじめて聞いた時にトニーはその演奏に惚れ込んだ感じがあり、これをきっかけにトニーの中で黒人のイメージが少し変わっていた時はすごく良かったです。
その後はトニーはドクターに歩み寄ろうとして車内で会話を楽しむ姿がよく描かれていると思いました。それでもドクターはトニーとは少し距離を置いている感じがありました。
そんな中、ケンタッキー州に到着してから環境が変化していきます。
孤独の黒人
ケンタッキー州に到着してから次第に黒人への差別意識が高まっていき、ドクターが一人でバーで飲食しようとしていたら、白人に暴行を受けたりしていました。
そのようなことが何回かありましたが、その度にトニーに助けてもらいドクターもトニーに興味を持つようになっていくところはさりげなくて、とてもいい感じでした。
それがよくわかるところがトニーが欠かさず書いていた手紙にアドバイスをする様になったところだと思います。
しかし、いい友情関係に思えた二人でしたが、トニーは裏町の育ちで家族と生きていくのが精一杯でドクターが羨ましいと言ったところのドクターが怒ったところは見応えがありました。
ドクターは教養のある黒人なため、頼れる仲間がいなく、一人で白人社会からの差別を耐えていることをトニーに怒りをぶつけたところはドクターの本心が知れるいいシーンだと思いました。
ドクターの本心を聞いたトニーはドクターの最後のコンサート会場に向かいます。
最後のコンサートで
最後のコンサート会場のあるアラバマ州に着いたとき、コンサートが始まるまでの間、会場で食事をしようとしていましたが、黒人ということでドクターは会場に入ることすらできませんでした。
それに腹にきたトニーは今まではコンサートに関しては口を出さなかったが、初めてドクターを連れコンサート会場を後にしたところは爽快な気持ちになりました。
トニーはドクターと共に黒人が集まる小さなバーに行き、そこでトニーに押されステージで自由に音楽を楽しむドクターはとても生き生きとしている感じがしていて清々しい気分になりました。
そんな楽しい時間を過ごしてしまい、トニー要望であったクリスマスは家族と過ごすことが厳しくなりました。しかし、ドクターはなんとしてもクリスマスを家族と過ごすように車を飛ばすように提案し、二人で車を運転していくところは間に合うかそわそうすると思います。
トニーはクリスマスに家族と過ごすことができたかは、是非、作品を視聴して見てください。
その後の二人の関係がどのようなものになったかも作品最後にわかると思います。
まとめ
いかかでしたか?
『グリーンブック』は1960年代のアメリカで実際に出来事を参考にして描かれた作品です。そのため、過激なシーンもありますがそのことに目を背けずに向き合っていくことを考えさせられる作品でした。
是非、意識変化が感じれる映画『グリーンブック』楽しんでいただきたいと思います。
映画を無料で見るには
動画配信サイト | 配信状況 | 無料期間 |
---|---|---|
○ | 30日間 | |
○ | 2週間 | |
○ | 30日間 | |
○ | 31日間 | |
○ | 31日間 | |
○ | 30日間 | |
× | 2週間 | |
× | 1ヶ月 |
視聴状況:記号訳
記号 | 配信状況 |
---|---|
○ | 定額見放題 | △ | レンタル等 | × | 未配信 |